「この頃ぐっすり眠れない」「眠りが浅い」
「横になっているのにどうも疲れが取れない」
それは気のせいではありません。
年齢を重ねるとともに、睡眠時間は短くなり、浅い眠りの割合は増えていきます。
「昔はよく眠れていたのに、最近もしかして不眠かも…」そんな悩みが多くなってくるのは、特に50代以降。睡眠の質と量が低下すると、日中のパフォーマンスも下がります。
「カフェインが眠りを妨げる」は有名ですが、長く起きていると、アデノシンという物質が脳の中にたまっていき、眠気を引き起こす原因のひとつになっています。カフェインは、このアデノシンの作用を邪魔をすることによって、眠気が起きにくくします。心当たりのある方は、まず夕方以降のカフェイン摂取を控えてみませんか。
交換神経が活発になり、目が覚めてしまうので、質のいい眠りの妨げになります。少しぬるめのお湯に15分程度の入浴なら、副交感神経が優位になり、心身がリラックスして良い睡眠につながります。
よい眠りには、室温を安定させることが大切です。エアコンや冷暖房器具を活用して、心地よく眠れる室温をキープしましょう。睡眠ホルモンのメラトニンは暗いほうが分泌されやすいため、就寝時には豆電球も消しましょう。
中年以降になると、老化現象で体内時計が乱れ、男性は早朝覚醒(朝早く起きてしまう)、女性は入眠困難(なかなか眠れない)という傾向が強くなります。
ですので、特に女性はまだ眠くないのに早く寝床に入ると、なかなか眠れない…ということに。
男女の身体の自然のリズムに合わせて寝床に行くことが、質のよい睡眠につながります。
朝、太陽の光を浴びることで、体内時計をリセットされて一定のリズムを刻むことができます。毎日決まった時間に起きることは、質のよい睡眠のために有効です。朝は徐々に明るくなってきたほうが、自然な目覚めを迎えられますので、カーテンにも工夫を。
「この頃眠れない…」そんなときはインターネットで検索するといっぱい出てくる睡眠サプリや快眠グッズを試してみよう、という方も多いのでは?また、いつものかかりつけの病院の医師に相談して、睡眠薬を処方してもらうという方も少なくないのではないでしょう。実は対処法はそれだけではありません!睡眠OTCという選択肢があります。
睡眠サプリや快眠グッズでは、安心だけどあまり実感できなかった方、病院でもらう睡眠薬は、くせになるから飲みたくないという方、そんな方におススメなのが、ドラッグストアやインターネットで自分で買えるOTC医薬品の睡眠改善薬や不眠症に効く漢方薬。略して睡眠OTCです。
睡眠OTCは、睡眠誘発作用が比較的緩和で、自然に近い眠りに導く効果が期待できます。
医薬品には、医師の処方が必要な医療用医薬品と、お近くの薬局・ドラッグストアなどで購入できるOTC医薬品(一般用医薬品)の2種類があります。睡眠薬・睡眠導入剤は医療用医薬品、自分で買うことができる睡眠改善薬や不眠の漢方薬は、OTC医薬品に分類されます。
ジフェンヒドラミン塩酸塩は睡眠改善薬に配合されている有効成分です。
体内のヒスタミンという物質の働きを抑えることで、眠気を引き起こし、自然に近い眠りをサポートします。
睡眠改善薬は、「寝つきが悪い」、「眠りが浅くて夜中に目が覚めてしまう」といった「一時的な不眠症状※」を緩和する薬です。生活リズムや睡眠環境を整えても一時的な不眠の症状が改善しない場合には、OTC医薬品(一般用医薬品)の睡眠改善薬で、症状を改善することも一つの方法です。
※一時的な不眠とは、「精神疾患等病的な原因のない人が経験する一過性の不眠」のことを言います。
睡眠改善薬を使用したことがない方は、下記のような時に使用してみたいと考えているようです。このような時は、ジフェンヒドラミン塩酸塩の睡眠改善薬を試してみてはいかがでしょうか?
漢方では「
「抑肝散」はこの「
元々は子どもの夜泣き、疳の虫に使われていた薬ですが、
現代では大人の不眠や神経症状にも使われるようになった汎用性の高い漢方薬です。
精神的に緊張状態が続いて、何に対しても過敏に反応してしまったり、
ストレスから不安や怒りという形に出てしまう、イライラなどの状態を
「神経がたかぶった状態」と考え、このような状態の改善方法のひとつとして、
漢方の抑肝散が効くことがわかっています。
こんなとき、こんな方の一時的な不眠の症状には『睡眠改善薬』を。
睡眠改善薬は、「不眠のループ」を断つためにも有用です。
こんな方の睡眠力の低下に、『漢方製剤の抑肝散』を。
抑肝散は、ストレスがたまったときに出るからだの不調に効く漢方薬です。
漢方薬「抑肝散」は、毎日服用することで、肝火を鎮めて眠りやすい体質に。漢方薬は、薬そのものに眠りを催す作用はなく、自分自身の睡眠力を高めて眠れる体質へと導きます。ですので、不眠の原因があって眠りにくい時には「ジフェンヒドラミン塩酸塩」を併せて服用することで、さらに効果アップ。
「自然な眠りでぐっすり眠りたい」そんな方には睡眠OTCの合わせ技をおすすめします。
現在、不眠症に対して病院で処方されるお薬は、主にベンゾジアゼピン系のお薬が汎用されています。ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、脳の活動を抑制することによって不安や緊張を和らげて眠りやすくする状態を作り出します。比較的依存も少なく安全であるとされていますが、常用量であっても依存があるため、症状が改善したらお薬の減量や中止を検討し、その際には離脱症状に十分注意して長期の連用を避けることが望ましいとされています。ですので、病院で処方された不眠症治療薬を自己判断で中断したり、不眠症治療薬の代わりに一時的に睡眠OTCを服用すると、不眠症状が悪化することがあるので注意が必要です。
また、睡眠改善薬や不眠の漢方薬などの睡眠OTCは、適切に使用すれば依存性の心配はありませんが、睡眠改善薬については、連用すると効果が減弱することがありますので、一時的な不眠への使用にとどめることが大切です。
不眠の漢方薬については、不眠症に対する効果があり、体質に合っていれば長期に服用しても差し支えありません。